積貞棟

外来がん診療部、外来化学療室/放射線治療科、集学的がん診療病床

積貞棟1・8階

概要

病床数床37床(放射線治療科14床 腫瘍内科16床 血液内科2床 泌尿器科4床 共通病床4床)

特徴

1)放射線治療科

様々ながん腫に対して放射線療法を受ける患者が入院しています。体幹や頭部に対する定位放射線治療や、正常組織を避けながら腫瘍に十分な線量を照射できる強度変調放射線治療、さらに、肺がん・肝臓がん・膵臓がんに対しては動体追尾放射線療法を行い、腫瘍制御率の向上や合併症の軽減を図っています。また、食道がんに対しては、根治を目指して化学放射線治療を受ける患者も多く入院しています。治療に伴い経口摂取がすすまないことも多く、食べることへの看護ケアが欠かせません。いずれの治療も入院当日に患者指導用パスを用いて、治療計画に合わせた副作用症状のモニタリングやセルフケア指導を行い、治療が完遂できるよう様々な症状に対して看護を実践しています。

2)腫瘍内科

主に消化器がんを中心に、その他神経内分泌腫瘍・原発不明がん等の希少がんなど、抗悪性腫瘍薬を用いて化学療法を受ける患者が多く入院しています。現在化学療法の主たる場所は外来であるため、初回治療のみ入院で行い、急性期毒性が確認でき次第外来での治療へと移行します。自宅での生活やライフワークに化学療法をうまく組み合わせることができるよう、副作用症状に対するセルフケア支援に努めています。治療の導入時には病気や治療への思いを確認し、IVナースレベルⅣの認定を受けた看護師が自律して安全で確実な抗腫瘍薬の投与を実施しています。さらに、上部内視鏡的治療や、治験・臨床試験も実施しており、多岐にわたってがんの集学的治療が行われています。また終末期において、治療の選択肢がなくなり在宅やホスピスへの療養支援が必要になった患者には、様々な苦痛が軽減できるよう他職種と連携しながら患者とその家族を包括的に支えられるよう努めています。早期からのACPにも取り組んでおり、患者個々の価値観を尊重しながら病軌を歩む患者とその家族に寄り添い、意思決定を支援しています。

 3)血液内科

CART-T細胞療法のため、白血球アフェレーシスで白血球採取目的の患者や、骨髄バンクドナーの骨髄液採取目的のドナーが入院しています。

 4)泌尿器科

化学療法や、尿路感染、水腎症などの緊急入院、ターミナル期の疼痛コントロール、在宅や転院調整が必要となる患者が入院しています。

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血液内科

積貞棟3階

概要

病床数43床(血液内科40床 小児科1床 共通2床)

特徴

1)血液内科
 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性腫瘍を対象としており、化学療法・放射線療法を中心に自家・同種造血幹細胞移植を組み合わせた治療を行い、治癒率は向上しています。
 前処置を軽減した骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植(ミニ移植)により、移植可能な年齢が大幅に引き上げられ、また自家・同種造血幹細胞移植でも治癒が困難な患者に対し、HLA半合致同種造血幹細胞移植(ハプロ移植)が実施されるようになりました。造血幹細胞移植件数は年間50~60件と西日本ではトップクラスとなっています。
 移植患者さんが増加する中、当病棟では病棟全体がクリーンルーム仕様となっており、患者さんはマスク着用の上で病棟を自由に行動でき、ストレス軽減につながっています。
 患者さんは正常血液細胞が減少しているため、易感染・易出血状態にあります。看護師はそれらの予防、早期発見に努め、早期から予防行動できるように指導しています。
 移植後フォローアップ外来では、移植後の感染予防、症状出現時の対応、心のケアなど、退院後の生活と社会復帰への支援を行っています。
 また外来がん化学療法を受ける患者さんの初回導入を実施し、副作用の評価を行い、外来化学療法室とテンプレートを使用した情報共有を行い、患者さんが安心・安楽に外来通院治療が行えるように援助しています。
 治療に関連した副作用や長期入院生活、生命への危機感などに対する患者の身体的、精神的苦痛は想像以上です。また終末期を迎える患者さんも多く、患者さん及び家族に対し全人的なケアが必要不可欠です。医師・看護師は勿論、他職種との連携を強化し、患者中心の質の高い医療が提供できるよう日々努力しています。

2)小児科
 小児科で治療を継続している15歳を経過した患児で、入院による厳重な感染管理が必要な化学療法、造血幹細胞移植を対象としています。
 思春期から青年期への移行時期であり、自我意識・社会的意識が芽生えてくる大切な時期である。家族は勿論のこと、本人の意思を尊重した上で支援を行っています。

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心臓血管外科、結核病床、RI病床
呼吸器外科、呼吸管理睡眠制御科

積貞棟4階

概要

病床数38床(呼吸器外科31床 呼吸管理睡眠制御科4床 呼吸器内科2床、共通1床)

特徴

1)呼吸器外科
 肺の悪性腫瘍に対する外科的手術治療やその前後の化学療法、放射線療法、胸腺腫や重症筋無力症に対する胸腔鏡手術などを行っています。2018年よりロボット支援下手術が肺癌と前縦隔腫瘍に対して保険適応となり、最新のダビンチXiを使用しての手術に積極的に取り組んでいます。また、内科的治療を行っても改善の見込めない呼吸不全に対して、生体肺移植、脳死肺移植が実施されており、全身麻酔手術件数500例以上の手術が施行され、そのうち肺移植手術が30例弱行われています。2010年7月の臓器移植法改正後より、肺移植数は年々増加しています。
 患者は小児から高齢者まで幅広く重症度も高いため、正確な知識と判断、技術を持った看護の提供を目指しています。このような高度医療が行なわれている一方では緩和ケアへの移行過程における心身の苦痛の緩和や退院を見据えてのリハビリテーションを含めた日常生活援助も重要であり、このような患者に個別性のある質の高い看護を提供できるように多くの多職種と連携し患者・家族の思いに寄り添い、安全で安心な看護ケアの提供に努めています。

2)呼吸管理睡眠制御科
 睡眠中に無呼吸・低呼吸が繰り返し起こる睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の患者に、脳波・眼球運動頤筋表面筋電図、心電図等を装着し睡眠中の生体現象を終夜記録する検査(PSG:Polysomnography)のための入院と、持続的陽圧呼吸装置(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)の導入に伴う検査の入院が主であり、ほとんどが1~2泊入院で行われます。短期入院ですが、虚血性心疾患、脳血管疾患、てんかんなどの神経疾患などの基礎疾患のある患者も多く、対象は小児から高齢者までと幅広いため、安全に検査が終了できるように医師や検査技師と協力しながら看護支援を行っています。

3)呼吸器内科
 肺腫瘍、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、喘息などの呼吸器疾患の治療が行われています。病状の進行や感染の併発により呼吸困難感や疼痛が増強し入退院を繰り返す患者が多い。患者の状態や日常生活動作を観察し、持続する心身の苦痛症状の緩和に努めています。

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心臓血管外科、結核病床、RI病床
呼吸器内科

積貞棟5階

概要

病床数44床(呼吸器内科)

特長

 1)呼吸器内科
 
当病棟は呼吸器内科の単科であり、肺腫瘍、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性咳嗽・喘息等の治療が行われています。また重症肺炎の入院もあり、近年流行のCOVID-19疑い対応も同時に行い、感染対策の強化に努めています。肺胞蛋白症など特殊な疾患の治療にも取り組んでいます。呼吸器疾患という特質上、病状の進行に伴い呼吸困難感や疼痛が増強する患者も多く、緩和ケアチームなど他職種と連携を図りながら治療や看護を実践しています。
 治療としては、化学療法、放射線療法、ステロイドやエンドキサンパルス療法、吸入療法、呼吸リハビリテーション等が行われており、化学療法は病棟で導入しその後外来に移行するケースが多い。肺腫瘍の新しい治療法確立のため、治験の実施件数も年々増加しています。肺胞洗浄など件数は多くないが、集中治療部への入室が必要な治療も行われています。人工呼吸器やNPPV、ネーザルハイフローやベンチュリーマスクなどの機器を用いた厳密な呼吸管理を行う患者も多く、看護師はそれらの知識と管理能力の習得も必要となってきます。
 看護の実践としては、初めての治療や今後の不安など、継続治療導入へのスムーズな関わりが必要であり、心身の苦痛の緩和に努め、患者の自己効力を高める働きかけが重要です。また、難治性で持続する症状がQOLに支障をきたしている患者も多く、日常生活のわずかな負荷が呼吸状態の重篤な結果に結び付くことから、患者の状態や日常生活動作を細かく観察した個別性に応じた看護師の関わりが求められます。
 患者の中には予後が厳しく病状の進行に伴い呼吸困難が増悪し、患者自身が自己決定できなくなる場合も多いため、そうした中で患者・家族の意向に応じた意思決定を支援するために、看護師は適時に的確にサポートできるように努めています。
 在宅に向けて、人工呼吸器や在宅酸素療法導入など教育支援を行うとともに、QOLをできる限り高めるために包括的に患者を理解し、地域ネットワーク医療部などの他職種との組織的な支援調整も重要となります。

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心臓血管外科、結核病床、RI病床
消化管外科、乳腺外科、共通

積貞棟6階

概要

病床数43床(消化管外科31床 乳腺外科9床 共通3床)

特長

1)消化管外科 

主に食道、胃、小腸、大腸の疾患に対して、内視鏡(胸腔鏡/腹腔鏡)下手術またはロボット支援下手術を中心とした外科的治療を行っています。手術前後の補助化学療法や放射線療法等、病状にあった集学的治療も組み合わせて行われており豊富な成績を上げています。生命維持に重要な食物の消化・吸収・排泄に関する疾患のため、食生活や排便習慣の行動変容が必要となり、退院後の生活適応に時間を要する症例が多い。術後の早期回復を目指して術前の栄養状態や筋肉量の維持向上は重要でそのためのリハビリテーションにも取り組んでいます。ストーマ管理や瘻孔管理、経腸栄養管理等は専門的な知識・技術・指導力が求められ、WOCナースや栄養士、リハビリ部門、外来看護師とも連携しながら個々に応じたケアを実施しています。
また高齢者や認知症患者の症例も多く、急性期から終末期までと対象となる患者が広く、緩和ケアチームや地域ネットワーク医療部と連携して、緩和ケアや在宅調整に取り組んでいるが老老看護、独居、受け入れ先が少ない等の難題も多く、退院調整はなかなか困難を来しています。いかにより良く他部門と連携をとるか、スムーズに外来部門に繋げるかを考え退院後も継続した支援が行えるよう目指しています。

2)乳腺外科

代表的対象疾患は、原発性乳がん、転移/再発乳がん、良性乳腺疾患、乳がんハイリスク対象者です。外科的治療に加え、手術前後の化学療法、ホルモン療法、放射線療法を組み合わせた治療が行われており、がん薬物治療科、放射線科、病理科、緩和ケアチームなどが連携してチーム医療が行われています。標準治療に加えて、臨床試験・治験が多いのも特徴的です。ゲノム医療に関しても、消化管外科共に今後ますます関心が高まっていくと思われる。看護面では術後患者に対してはマンマリハビリテーションを実施し、さらに腋窩リンパ節郭清術を受けた患者に対しては、リンパ浮腫指導を実施している。化学療法はレジメンの種類も多く、常に最新の知識の習得が必須です。ボディーイメージの変化には心理的支援が重要であり、さらに妊娠・育児など子供への関わり方もナイーブな問題です。比較的年齢が若いと急激に終末期へと移行していく患者もいるので本人・家族の意思決定支援は慎重に行う必要があります。緩和ケアチームやがん相談支援センター、地域ネットワーク医療部、外来部門と連携し、症状緩和や在宅診療への支援に努めています。

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消化器内科、共通

積貞棟7階

概要

病床数44床(消火器内科42床、共通2床)

特長

1)消化器内科

肝臓・胆道・膵臓・消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・直腸)の疾患を対象としており、主に、膵臓がんや肝細胞がんをはじめとする消化管の悪性疾患や、胃や大腸のポリープなどの良性疾患、潰瘍性大腸炎・クローン病など炎症性疾患、肝硬変などの治療を行っています。これらの疾患に対して、化学療法や内視鏡手術・検査、RFA・TACEなどの内科的治療を行っていますが、その中でも、カテーテルを使用した造影検査やドレナージなどは侵襲性が高く、検査処置後には短期間であるが密度の高いケアが必要となります。炎症性疾患や化学療法、血管造影での塞栓治療などを受ける患者は、再発や病気の増悪のため入退院を繰り返すことが多く、長い治療経過となるため継続看護が求められます。また、終末期の患者に対しては、家族も含めたケアが必要とされ、がんサポートチームや地域ネットワーク医療部など他部門との連携を強化し、患者やその家族をチームで支援しています。
また、吐血や下血・膵炎・胆管炎・肝性脳症などの緊急入院が多いのも特徴であり、常に迅速で柔軟な対応が必要です。 

2)共通
 様々な診療科が共通して使用できる病床。 

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心臓血管外科、結核病床、RI病床